司法消極主義について知ろう

日本では、三権分立が採用されています。三権分立とは、立法権・行政権・司法権がそれぞれ独立して活動するというものです。ここで誤解が生じやすいのは、三権分立とは、それぞれの活動を効率よくする制度であるとの認識です。この認識は誤りで、三権分立とは、むしろ三権をお互いが監視・抑制することで、それぞれが行き過ぎた行動をすることを防止するための制度なのです。三権分立において、司法権は、立法権が、日本国のルールたる日本国憲法に反する立法をしていないかを監視する役割を負っています。これを違憲立法審査権といいます。しかし、いくら監視する役割を負っているといっても、本来立法は国会の役割であり、司法権は立法権について門外漢なわけです。それにもかかわらず、司法権が違憲の判断を積極的に行うと、どのようなことが起こるでしょうか。ある法律が違憲と判断された場合、立法府はその法律を改廃することになります。立法とは法律を作るばかりでなく、法律を改廃することも含みますから、司法権が違憲の判断をすればするほど、それに従って法律が改廃され、結局、裁判所が立法権の活動をすることになり、三権分立に反することになってしまうのです。これでは、三権分立が機能しないので、日本においては司法消極主義が採用されています。この司法消極主義とは、司法権は立法権を監視する役割を負っていますが、第一は立法権の判断を尊重し、違憲審査をすることは控えるという主義です。このように、三権分立をうまく機能させるために、いろいろな政策がとられています。

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