客観訴訟について

裁判は通常なら、具体的な出来事が起きて、それについて争います。刑事裁判であれば、被告人が本当に犯人なのかということを争ったり、量刑について議論をすることになります。民事裁判であれば、原告が被告に対して、何らかの要求をするわけです。不法行為責任を追及するのであれば、被告の具体的な行為や不作為に対して責めてます。そして、被告による被害がどの程度あったのかということを立証して、具体的な金額を提示して損害賠償請求をするという流れです。交通事故や契約の債務不履行などがその代表的な例です。
これに対して客観訴訟の場合には、争う対象となる具体的な事件や出来事がありません。主に違憲立法審査権を行使してもらうことを目的に起こされます。しかし、日本においては客観訴訟は制度として認められていません。法律が成立したという事実だけでは、その内容にかかわらず、誰も被害を被らないためです。成立した法律を行政機関などが運用した結果、権利を侵害された人が出て来て、初めて訴訟を提起することが可能になります。この際に憲法違反を争うのであれば、違憲立法審査権も行使できるというわけです。国によっては客観訴訟も訴訟の種類として認められているところもあります。

コメントは受け付けていません。

最近の投稿